滋賀県にむかしから伝わるご当地妖怪を日本地図とイラストで一覧表にして紹介します。
ダイダラボッチ、油坊(あぶらぼう)、大百足(おおむかで)、鉄鼠(てっそ)…。あなたの知っている妖怪や伝説もあるかもしれません。妖怪といっしょに都道府県の特徴や自慢などを紹介しているので、ぜひ覚えてくださいね。
滋賀県に伝わる妖怪・伝説
大百足(おおむかで)
大百足(おおむかで)は、滋賀県野洲市にある三上山(みかみやま)に住む巨大な百足(むかで)の妖怪です。
平安時代、近江富士(おうみふじ)とも呼ばれる三上山に、山を7巻半もする巨大なムカデが現れたといいます。大ムカデは、琵琶湖(びわこ)の魚を食いつくすなどの悪さをしていました。
ある日、俵藤太(たわらとうた)=藤原秀郷(ふじわらのひでさと)というお侍さんが瀬田(せた)の唐橋(からはし)を渡ろうとしたところ、橋の上に大蛇(だいじゃ)が横たわっていました。
大きな蛇をも恐れない俵藤太を勇敢(ゆうかん)だと思った大蛇は、大ムカデを退治(たいじ)するようお願いします。実は、この大蛇の正体は橋の下にある竜宮(りゅうぐう)に住む龍神(りゅうじん)だったのです。
俵藤太は大ムカデの眉間(みけん)に矢を命中させ、見事に退治しました。
退治のお礼にと龍神から俵などをもらったことから、「俵藤太」と呼ばれるようになったと伝えられています。
鉄鼠(てっそ)
「鉄鼠(てっそ)」は、園城寺(三井寺)の僧、頼豪(らいごう)が怨念(おんねん)により鉄の牙(きば)を持つ大ネズミと化した妖怪です。
頼豪は霊験(れいげん)あらたかな僧であったため、第72代白河天皇に皇子(みこ)の誕生を祈祷(きとう)するよう命ぜられました。天皇は、祈願(きがん)が成就(じょうじゅ)すれば褒美(ほうび)を取らせると約束しました。
しかし、祈願が成就し皇子が誕生したにもかかわらず、園城寺と対立していた比叡山延暦寺(ひえいざんえんりゃくじ)による妨害工作のため、約束を叶えられることはありませんでした。
このことをうらんだ頼豪は、断食の末死んでしまいました。その後、怨念により石の体と鉄の牙を持つ巨大な鉄鼠(てっそ)と化した頼豪は、8万4千匹ものネズミとともに比叡山を駆け上り、経典を食い荒らしたといいます。
ダイダラボッチ
ダイダラボッチは、山や湖沼(こしょう)を作ったといわれる巨人(きょじん)で、日本各地に伝説があります。
滋賀県に伝わる話では、ダイダラボッチが近江(おうみ)の土を掘って富士山(ふじさん)を作り、掘った跡(あと)が琵琶湖(びわこ)になったと言われています。この伝説が縁で静岡県の富士宮市(ふじのみやし)と滋賀県の近江八幡市(おうみはちまんし)は「夫婦都市」となり、交流が続いています。
油坊(あぶらぼう)
油坊(あぶらぼう)は油を盗んだお坊さんの妖怪で、炎の中にお坊さんの姿が見えると伝えられています。
むかし、滋賀県の比叡山延暦寺(ひえいざんえんりゃくじ)にいたお坊さんが、燈明(とうみょう)の油を盗みました。その後、お坊さんは病気が元で死んでしまいましたが、次の日から油坊が出るようになったそうです。
※妖怪の話はこちらに掲載されている内容と異なるものもあります。
※同じ妖怪・似た話がほかの都道府県にも伝わっている場合があります。
※妖怪のイラストはイメージです。