大阪府にむかしから伝わるご当地妖怪を日本地図とイラストで一覧表にして紹介します。
葛の葉(くずのは)、古狐(ふるぎつね)、白坊主(しろぼうず)、茨木童子(いばらきどうじ)…。あなたの知っている妖怪や伝説もあるかもしれません。妖怪といっしょに都道府県の特徴や自慢などを紹介しているので、ぜひ覚えてくださいね。
大阪府に伝わる妖怪・伝説
葛の葉(くずのは)
葛の葉(くずのは)は、稲荷大明神(いなりだいみょうじん)の使いである狐(きつね)の妖怪です。
ある日、武士が森で狩人に追われていた白ギツネを助けましたが、ケガをしてしまいました。白ギツネは葛の葉という人間の女性に化けて武士の看病をしましたが、やがて二人は結婚し、子どもが生まれました。
しかしある日、葛の葉は正体が白ギツネであるとわが子に知られてしまい、森へ帰ったそうです。この子どもが陰陽師(おんみょうじ)として知られるのちの安倍晴明(あべのせいめい)だと伝えられています。
古狐(ふるぎつね)
江戸時代、大阪城では夜に兵の声がしたり火の玉が現れたりするなどの怪現象(かいげんしょう)が起きるので、豊臣(とよとみ)がわの兵のうらみだと恐れられたといいます。
大阪城の北西にある京橋口(きょうばしぐち)の定番(じょうばん:一定期間、城にとどまり警護(けいご)する役)の屋敷(やしき)にも妖怪が住むと言われていました。なかには妖怪に取りつかれて命を落とす者もいたため、定番はほこらを奉納(ほうのう)するのが習わしでした。
しかし、1725年に定番となった戸田大隅守(とだおおすみのかみ)が古いほいこらを取りのぞくと、化け物を見たとさわぐ家臣(かしん)があいつぎました。
そこに巨大(きょだい)な古狐(ふるぎつね)の妖怪が現れました。戸田大隅守とのはげしい戦いのすえ、鎌(かま)でしとめられたと伝えられています。
『金城聞見録』より
白坊主(しろぼうず)
白坊主(しろぼうず)は目・鼻・口・手足のはっきりしない、絣(しま)の着物を着た坊主(ぼうず)の妖怪です。人をおどかすだけで危害(きがい)を加えることはないと言われています。
茨木童子(いばらきどうじ)
茨木童子(いばらきどうじ)は、酒呑童子(しゅてんどうじ)の最も重要な家来だったと言われています。
茨木童子は、水尾村(現在の茨木市)で生まれました。生まれながらにして歯がはえそろい、すぐに歩きだして鋭い目つきでニタッと笑ったので母は驚きのあまり死んでしまったといいます。
父は、鬼のような子をとなりの茨木村にある床屋(とこや)の前に捨ててしまいました。床屋の主人は子を拾い大切に育て、仕事を教えました。
童子が床屋の手伝いをしているとき、手をすべらせてカミソリで客の顔を切り、血をぺろりとなめたことがありました。血の味を知った童子は、わざと客に傷をつけて血をなめるようになってしまいました。
ある朝、童子は顔を洗うために小川に行きました。橋の上から水面を見ると、なんと自分の顔が鬼になって映っていました。童子は驚き、人間世界での生活をあきらめ、大江山(おおえやま)の酒呑童子(しゅてんどうじ)の副将格(ふくしょうかく)になったと伝えられています。
茨木市のマスコットキャラクターは「茨木童子」です。橋は茨木童子貌見橋(すがたみのはし)と名づけられましたが今はなく、石碑(せきひ)のみが残されています。
※妖怪の話はこちらに掲載されている内容と異なるものもあります。
※同じ妖怪・似た話がほかの都道府県にも伝わっている場合があります。
※妖怪のイラストはイメージです。