宮城県にむかしから伝わるご当地妖怪を日本地図とイラストで一覧表にして紹介します。
提灯小僧(ちょうちんこぞう)、ジンベイサマ、賢淵(かしこぶち)の化けグモ、タンタンコロリン…。あなたの知っている妖怪もいるかもしれません。妖怪といっしょに都道府県の特徴や自慢などを紹介しているので、ぜひ覚えてくださいね。
宮城県の妖怪・伝説
提灯小僧(ちょうちんこぞう)
追い越したり追い越されたりする小僧の妖怪
「提灯小僧(ちょうちんこぞう)」は、宮城県仙台市(せんだいし)の城下町(じょうかまち)にあらわれた妖怪です。
雨の夜など、村人が提灯を下げて歩いていると12、3歳の小僧が提灯を持ってやってきて、追い越されたり追い越したりを繰り返しました。ふと顔を見るとほおずきのように真っ赤なので村人は大変驚きましたが、しまいに提灯小僧は消えうせたと言われています。
ジンベイサマ
姿を見るとカツオが大漁になる海の怪物
「ジンベイサマ」は金華山(きんかさん)沖に現れるという伝承が残る海の怪物です。全体の姿が見えないほど巨大で、船の下に入って船を支えていることもあるそうですが、竿(さお)で突くと沈んでいきます。その正体はまさしくジンベエザメではないかとも言われています。
また、ジンベイサマが出現すると鰹(かつお)がたくさん獲れると言われていますが、人にとって良いことだけでなく、恐ろしい面もあります。ジンベイサマはヘビのように長く、その長さが船を越えると船に脂(あぶら)がたまって沈没してしまうといいます。
賢淵(かしこぶち)の化けグモ
川に人を引きずり込む蜘蛛の妖怪
「賢淵(かしこぶち)の化けグモ」は、人を水の中に引きずりこむ蜘蛛(くも)の妖怪です。
賢淵(かしこぶち)は日本全国にありますが、宮城県仙台市(せんだいし)に流れる広瀬川に賢淵(かしこぶち)と呼ばれる大きな淵(ふち)にも、化けグモ伝説が残されています。
むかし、この淵で男が釣りをしていると、一ぴきの蜘蛛(くも)がやってきて男の足に糸を引っかけて淵に戻りました。何度も引っかけては淵に戻りと繰り返すので男は不思議に思い、蜘蛛が淵にもどったすきに足から糸をはずして、そばにあった柳(やなぎ)の木の根元にくっつけておきました。
すると突然、淵の底から「えんやらさー」とかけ声が聞こえてきました。かけ声は次第に大きくなると、男のそばにあった柳の木がメリメリと音を立てて根こそぎ引き抜かれ、淵の中に引きずり込まれていったのです。男が驚いていると、水の中から「かしこい、かしこい」という声が聞こえてきました。
男は、淵の主(ぬし)である蜘蛛が川に自分を引きずり込もうとして足に糸を引っかけていたことに気がつき、恐ろしくなったそうです。
それ以降、この淵は「賢淵(かしこぶち)」と呼ばれるようになったと伝えられています。
タンタンコロリン(タンコロリン)
大入道に化けた柿の妖怪
「タンタンコロリン」は、宮城県仙台市(せんだいし)に伝わる柿の木の妖怪です。柿の実をとらずにおいておくと、タンタンコロリンという大入道に化けて町をさまようと言われています。
※妖怪の話はこちらに掲載されている内容と異なるものもあります。
※同じ妖怪・似た話がほかの都道府県にも伝わっている場合があります。
※妖怪のイラストはイメージです。