新潟県にむかしから伝わるご当地妖怪を日本地図とイラストで一覧表にして紹介します。
団三郎むじな(だんざぶろうむじな)、鮭の大介・小介(さけのおおすけ・こすけ)、青鷺火(あおさぎび)、見上入道(みあげにゅうどう)、鎌鼬(かまいたち)…。あなたの知っている妖怪もいるかもしれません。妖怪といっしょに都道府県の特徴や自慢などを紹介しているので、ぜひ覚えてくださいね。
新潟県の妖怪・伝説
鎌鼬(かまいたち)
鎌鼬(かまいたち)は、つむじ風に乗って現れて人を切りつける妖怪。
新潟県では、知らないうちに皮膚(ひふ)が切れたり、鎌(かま)に切り付けられたような傷があるのに血が出ておらず痛みもないという現象は、妖怪かまいたちのせいだと考えられていました。
暦(れき)(=カレンダー)を大切にしないとかまいたちに会うと言われています。また、傷口に灰をつけると治るという説があります。
鮭の大介・小介(さけのおおすけ・こすけ)
鮭の大介(さけのおおすけ)は、新潟県を中心とする東日本に伝わる怪魚です。人よりも大きな鮭で銀色のうろこを持ち、11月15日など決まった日に妻の小介(こすけ)とともに海から川へと遡り、その際に「大介・小介、今のぼる!」と大声を張り上げると言われています。
むかし、信濃川が海にそそぐあたりの町に、大きな屋敷に住み広い田とたくさんの船を持つ長者がいました。ある年の11月15日のことです。長者がふと海や川を見ると、いつも川で漁をするはずの漁師たちが舟を出さず仕事を休んでいます。川魚の王様の姿を見るのは恐れおおいと、多くの人が家から外に出ようともしないのです。長者は、「魚の夫婦ごときに漁を休むとは。1日分もうけが減る」と腹を立てました。
その翌年の11月、長者は漁師たちに「信濃川に網をおろして大介・小介を捕えろ」と告げました。漁師たちはたたりを恐れましたが、長者を怒らせると漁ができなくなるのでしぶしぶ承知しました。
いよいよ11月15日になりました。長者の合図で漁師たちが網を放ちましたが、大介・小介どころか、魚は1匹も捕まりません。やがて漁師たちは長者より川の王のたたりを恐れ、みんな逃げるように帰ってしまいました。
ただひとり残された長者も帰ろうとしましたが、そこへ白髪が銀色に光り輝く一人の老婆が現れました。老婆は「今日はご苦労であった」と長者に言い残し、すうっと消えてしまいまいた。
すると、信濃川から「大介・小介、今のぼる!」とさけぶ声が鳴り響き、鮭の大群がぞくぞくと川をのぼっていきました。長者はそれを聞いて死んでしまったそうです。
団三郎むじな(だんざぶろうむじな)
佐渡の大親分と呼ばれた化け狸
むかしから金が取れる島として知られていた佐渡。江戸時代に徳川家康によって幕府直轄(天領)とされ、本格的に鉱山の開発が進みました。
もともと佐渡は狸がいない島でしたが、鉱山で使うふいご(火を起こすための送風機)に狸の毛皮が用いられたため、本土から狸が持ち込まれて野生化したと言われています。
佐渡では「狸」を「貉(むじな)」と呼びます。団三郎むじなは、新潟県の佐渡(さど)に伝わる化け狸(たぬき)です。佐渡の金山を根城(ねじろ)にし、金に困った人がいれば金を貸したといいます。そのうち、団三郎は佐渡の大親分と呼ばれるようになり、島内に100以上の部下もいました。
現在、団三郎むじなは二ツ岩神社(佐渡市相川町)に「二つ岩大明神(ふたついわだいみょうじん)」としてまつられています。
青鷺火(あおさぎび、あおさぎのひ)
青鷺火(あおさぎび、あおさぎのひ)は、サギが夜に青白く光る怪現象(かいげんしょう)。
新潟県の佐渡島の伝説では、毎晩のように梅の木に光が飛んできていました。弓矢で射たところ、正体はサギだったとのことです。
見上入道(みあげにゅうどう)
見上入道(みあげにゅうどう)は、全国に伝承(でんしょう)のある妖怪。
ひと目見ると小坊主(こぼうず)のようでも、見上げるとどんどん背が高くなり、見ている人は後ろに倒れてしまうと言われています。
新潟県の佐渡では、「見上入道(みあげにゅうどう)、見越した」と唱えて杖(つえ)をたたきつけると、入道は消え去ったという話が伝わっています。
※妖怪の話はこちらに掲載されている内容と異なるものもあります。
※同じ妖怪・似た話がほかの都道府県にも伝わっている場合があります。
※妖怪のイラストはイメージです。