千葉県にむかしから伝わるご当地妖怪を日本地図とイラストで一覧表にして紹介します。
赤エイの魚(あかエイのうお)、狸囃子(たぬきばやし)、手長婆(てながばば)…。あなたの知っている妖怪もいるかもしれません。妖怪といっしょに都道府県の特徴や自慢などを紹介しているので、ぜひ覚えてくださいね。
千葉県の妖怪・伝説
手長婆(てながばば)
手が長く、危険な水辺で遊ぶ子供をいさめる妖怪
「手長婆(てながばば)」は手が長い老婆(ろうば)妖怪です。危険な井戸や池などの水辺で子供が遊んでいると長い手を伸ばして「水の中に引き込むぞ」とおどかします。
むかし、千葉県千倉町白間津(しらまづ)地区の山にほら穴があり、とても手の長い婆(ばば)が住んでいました。顔は鬼婆(おにばば)のようにこわかったので、誰も婆に近づかず、いつも一人ぼっちでした。
そんな手長婆の楽しみは、磯(いそ)のものをとることでした。ほら穴に座ったまま、長い手を伸ばすと里を越え、浜まで届いたと言われています。手長婆の住んでいたほら穴を掘ると、アワビやサザエなどの貝がらがたくさん出てくるそうです。
赤エイの魚(あかエイのうお)
島と間違うほどの巨大な怪魚
「赤エイの魚(あかエイのうお)」は、むかし千葉県南部にあった安房国(あわのくに)に伝わる、体長10キロメートル以上の巨大(きょだい)な魚の妖怪です。
むかし、千葉県の最南端に位置する野島崎(のじまざき)に2人の船頭がいました。ある日、大船を出したときに暴風にあい、かろうじて島に漂着(ひょうちゃく)しました。船頭も船員も陸に上がって人家を探しましたが人の気配はなく、水を飲もうとしてもみな海水でした。
仕方なく船に戻ったところ、突然波が荒くなり、島と思っていたものは海に沈んでしまいました。この島は、赤エイの魚が背中にたまった砂を取り払うため、海上に現れたものだと伝えられています。
狸囃子(たぬきばやし)
深夜聞こえてくるタヌキの腹鼓
「狸囃子(たぬきばやし)」は、夜が深まるとどこからともなく、笛(ふえ)や太鼓(たいこ)などの囃子(はやし)が聞こえてきます。その音のもとをたどってみると、近づいたと思えば遠くなったり止んでしまったりするので、突き止めることはできないという不思議な伝説で、日本全国に残されています。
千葉県木更津市にある證誠寺(しょうじょうじ)にも狸囃子(たぬきばやし)の話が伝わっており、童謡「証城寺の狸囃子(しょうじょうじのたぬきばやし)」のもとになったことでも知られています。
※妖怪の話はこちらに掲載されている内容と異なるものもあります。
※同じ妖怪・似た話がほかの都道府県にも伝わっている場合があります。
※妖怪のイラストはイメージです。